『My Dream TAKARAZUKA』こあらった目線のまっつまっつ、続き……というか、『My Dream TAKARAZUKA』におけるまっつの立ち位置考。というか、雪組における、まっつの立ち位置考(笑)。
 個人的な目線です、ええ。


 前日欄で、「まっつはえりたんセンター場面にしか出られない縛りのある人」と書いた。
 正確には、「まっつは、トップスターがセンターの場面にしか出られない人」だ。
 不思議だが、そういうことになっている。トップが変わっても、扱いが同じなので、「キムだから」「えりたんだから」ではないのだろう。
 焦点は、ちぎとまっつ。


 ちぎくんが2番手、まっつが3番手になって4年目。
 ただの一度も、ふたりが同じ場面に出ないのは、確固たる意図あってのことだろう。
 雪組ショーのお約束。ちぎくんの場面に、まっつを出してはいけない。

 ふつートップ、2番手、3番手はシャッフル可能、トップセンター場面に2番手ががっつり出たり、2番手センター場面に3番手ががっつり出たり、パターンはいくつかある。
 しかし雪組の場合、2番手センター場面に3番手を出してはいけないので、3番手はトップセンター場面のみ登場になる。んで、トップと3番手がいつもペアだと、2番手は単独でごちゃごちゃした場面を受け持つことになる。

 トップ-ちぎ-まっつ、という並びになってはじめてのショー、『ROYAL STRAIGHT FLUSH!!』。
 オープニングや中詰め、フィナーレなどの「総踊り」「全員集合」以外の「まとまった場面」は、ちぎの「アリス・イン・ワンダーランド」、キムまつの「西部」、キムまつの「VIVA! LAS VEGAS!」、そしてキム以下総力戦の「ベトナム戦争」。
 次の『Shining Rhythm!』は、ちぎの「Cool Rhythm」、キムまつの「アンダルシア」、まっつセンターもありの、キムちぎまつ以下総力戦の「光と影」。
 キムくん退団公演の『GOLD SPARK!』は短い上に、みっちゃん投入のため変則的。「オルフェ」は2部構成、前半キムまつ、後半キムちぎ。後半の「赤鳥」は総力戦。
 えりたんトップになってはじめてのショー『CONGRATULATIONS 宝塚!!』は、えりちぎまつ以下男たちの「テキーラ」、ちぎの「伝説のスターSAGIRI」、えりたんの「ラテン」にはまっつソロも含まれてる。
 そして今回の『My Dream TAKARAZUKA』、えりまつの「パリ・ドリーム」、ちぎの「ドリーム・ステージ」、退団仕様の「伝説誕生」。

 見事に、ちぎくん単体、トップとまっつ、に分かれてる。
 まっつをトップ側につけなくてはならない以上、いつもちぎくんは単品。
 最近の流行りなのか、中詰めがやたら長くて、入れ替わり立ち替わりいろんな人がセンターでがちゃがちゃやるけど、そんなときでもちぎくんセンターにまっつが出ることはない。フォーメーションの都合で数小節そうなった、てなことがあるくらい。

 なんだってこう、強固にちぎまつを同じ場面に出すことを拒絶するのか。
 トップセンター場面で、他にたくさん出演者がいるときはふたりとも出していいけど、たとえばトップと2番手、3番手の3人のみでかっつり1場面、とかもない。

 おかげで演出のバリエーション少ないっすよ……。

 ちぎくんの場面に、まっつを出してはいけない。ちぎくんとまっつを並べてはいけない。歌で競わせたり、ダンスで競わせたり、してはいけない。


 芝居でもそうだ。ちぎまつは本公演以外は別箱に分けられ、同じ舞台には立たない。
 本公演の芝居でガチに絡むときは、ちぎくんが女役で、別次元にいるときのみ。
 まっつがはじめて(イベント以外で)雪組公演に出た『ロミオとジュリエット』が最初で最後。ちぎまつが芝居でも芝居内でのショー場面でもがっつり組んでいたのは。
 そっから先は、なし。
 ごくあたりまえに、2番手と3番手が舞台上で絡むことは。

 そりゃ厳密に言えば、別箱でも『ハウ・トゥー・サクシード』はキムちぎまつ全員出ていたし、本公演の芝居で同じ場面に出たり会話したりはある。
 2番手と3番手なんだから、本公演で演じる役は、それぞれ重要な役であり、彼らが共に出る場面は、意味のある場面である。でも、作品全体で見ると他にがっつり絡んだ相手があり、劇団的にはちぎまつを絡めたとは思ってないだろう。

 わけわからんわ。
 なんでこんなに強固な意志で、配置を実行していたのか。
 偶然? ただの偶然が4年間続くの? や、それは無理があるっしょ。
 雪組のあとムラで公演している星組さんのショー観ながら、「2番手ベニーセンター場面に、3番手マカゼが出てるわー。2番手の斜め後ろに3番手がいるわー。いいなあ」と指をくわえてました。……当たり前のことなのに、うらやましくて仕方がない。その前の公演は一本モノだったけど、フィナーレで2番手3番手の男同士のダンスがどーんとあったっけ。うらやまー。
 雪組では、ついになかった。

 ファンはちぎまつ大好物で、ふたりががっつり絡むことを切望していたのにね。
 や、ちぎファンがどうかはわかんないけど、わたしの知るまっつファンはみんなちぎくん大好きで、ちぎまつ希望者ばっかだった。
 『ロミジュリ』が、ベンマーが聖域であるわたしもまた、ちぎくん大好きで、ちぎまつが見たかった。毎回毎回、渇望していた。
 なのに。

 まっつが雪に来て4年。正確には、3年と10ヶ月ですか。
 作品を作る上での注意事項だったんだろうなあ。
 そんなことをして、いったいなにをナニを守ろうとしていたのかは、わからない。
 「下級生センターの場面に出すのは、上級生の矜持が傷つくから可哀想、同期や上級生トップの場面にしか出さないようにしてあげよう」と、優しい劇団が考えてくれたのかな。最初から下級生2番手の下、と、それ以外のすべての面で確定しておきながら、ショーの一部分だけはそんな配慮を、してくれたのかしら。
 それともナニ、まつださんが「下級生センター場面なんか、出たくありません」と駄々をこねたとか? 4年間ずっと、駄々をこね続けた(笑)。そして劇団は従った? やだまつださん何者? それなら「私がセンター場面ください」って駄々こねた方がよくね?

 ふつーに、ちぎくんのサブを務めるまっつが見たかった。
 最初に見たマーキューシオとベンヴォーリオが、可愛すぎたから。萌え過ぎだったから。サイズ感も合い、芝居も合っていた。
 だけど劇団的には「やべ、このふたり並べたらまずいじゃん」という判断だったのか。そこから、方針ひるがえしたもんなー。
 とことんまで、劇団とファンの意識はチガウってことか。


 ちぎくんトップのもと、2番手を務めるまっつが見たかった。
 まあなあ、「並べてはならない」と暗黙のルールで引き離しているくらいなのに、そんな未来がある可能性はすげー低くて、考えるたび心がひりひりしたけれど。
 それでも、願っていたよ。希望していたよ。
 ちぎまつが、舞台でまたがっつり絡んでくれることを。

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