月DC『アーサー王伝説』についてあれこれ。

 予備知識ナシでライトヲタとして観劇するわたしは、大抵出演者を理解してません。
 主演とヒロイン以外誰がでているのか、そもそも知らないことが多いし、観る前は知っていても、見はじめるとそんなの忘れていることが多い。残念なおつむの人ですから。

 だもんで、あーさが出ていることを、忘れていた。

 あーさが出ていることは知ってましたよ、ポスター出てるんだから。95期ファンの友人がやたらこだわってあーさあーさ言ってたし。
 わかってたのに、実際見ているときは忘れてた。

 だって、ぜんぜん出てこないんだもん。
 いること忘れてた……。

 でもんで、突然出てきたときは、笑った。
 ぶはっ、て感じに、笑えた。

 あまりの、美形ぶりに。

 笑うとこじゃない。
 笑うとこじゃないよ。
 でも、緊張が過ぎるとおかしくなるというか、自律神経誤作動してしまうというか。

 わたし微妙な位置の通路際だったんだけど、ここって客席登場した人が必ず立ち止まる場所で、いろんな人がわたしの真横で立ち止まって、その都度ひええってなってたんだけど。
 油断ぶっこいてるとこに、突然あーさが立っていて。
 坐ったまま、下から見上げて。

 ぽかーん……。

 美しすぎるだろうっ!! ありえないだろ。ずるいわあんなん。
 あーさが美しすぎてそれだけで頭ぱーーん、笑えるわ(だって美しすぎる!)不条理な怒りが込み上げるわ(だって美しすぎる!)、もうわけわからん!!

 すげー破壊力だわ……ぜえぜえ。

 ちゃぴとあーさの並びがもー、夢のように美しくて。

 勘弁してくれ……殺す気か……。


 モーガン@みやるりはちょっと苦手だった。
 というか、わたしこれ、2番手さんに求めてない……。

 みやるりイロモノばっかでつらい。
 モーガンはやり甲斐のあるいい役だと思うけど、でもって先にきゃーきゃー書いたあとでなんだけど、ランスロットをみやるりで見たかったなー。あーさ云々ではなく、正統派二枚目のみやるりが見たいのよ。

 かといって、モーガンは娘役では無理だし、専科さんがこんな大きな役で出演するのもチガウ気がするし……海外ミュージカルは難しい。


 メリアグランス@まゆぽん、かっこよかった!!
 闇堕ちしてからのビジュアル、存在感に震撼した。
 まゆぽんがこんな大きな役でいいの?!ってびびったけど、出番自体はあんましなかったね(笑)。出オチっぽい?

 なんにせよときめいたわー。
 悪役って華や押し出しがないと出来ないもの。まゆぼんがどんどん進化していってる!


 最後に、たまきちの話を。
 ……ということで、気づく。
 ああそうだわたし、コレ言ってない、たまきち、トップスターお披露目おめでとう。
 東京でとっくにお披露目初日を迎えていて、大阪はふたつめの箱、しかもわたしは初日に観たわけでもナイ……から、「プレお披露目公演なんだ」って意識が抜けていた。
 加えていうなら、「若いトップスターの産声」みたいなものが、舞台から感じられなかったことも、ある思う。

 伝説の王を演じるたまきちは、堂々たる美丈夫ぶりで、初々しさやキラキラしさはないけれど、こうどっしりと地に脚を着けた剛健な感じが「いかにも王」という様子で、違和感がなかった。

 作品の微妙さをぶっ飛ばす力技は得ていないようだけど、ドラマシティという劇場を満たすのに遜色ない真ん中ぶりだった。

 ほんとのとこ、まだわたしはあまりぴんときていない。
 まさおが卒業したんだなあ、ってことや、月組がたまきちの時代になっているのだということ。
 嫌だと言っているわけでも、認めないと言っているわけでもなくて、ただ、実感がわかない。
 月組はイレギュラー過ぎて、トップさんの横にいる2番手さん、を何年も何作も眺めて来て「次はこの人」と刷り込まれることがなかった。
 それゆえの実感のなさだ。

 『アーサー王伝説』は手放しで喜べる作品ではないけれど、それでも、若き王の物語は今のたまきちと新生月組に合っている。
 客席から、たまきちトップおめでとう、観に行くからね! と拍手することのできるエンタメ作品。

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