それはともかく、『オイディプス王』

 オイディプス@トド様、クレオン@みつるのやり取りを観ながら、このふたり、前は「おかしな二人」だったよな、と思うとニヤニヤしちゃいました。

 トド様がお調子者のダメ男で、みつるがエプロン姿で。
 かわいかったなーー!

 同じ役者で、今度はコレをやっているのだと思うとなおさら、役者ってすげえ!!と思います。

 みつるさんは年々いい男になっている。
 存在の軽さが取れ、説得力を増している。
 歌が苦手なためにいろいろハンデあった人だけど、芝居においてはそれもう、大丈夫じゃないかい?

 みつるの立役的な成長を観、それに対するハートでコマつんの可憐さを観る。

 みつるもコマも、育ってきた環境は似ていると思う。
 共に路線スターで、ワークショップで同じ役をやり、新公主演もバウ主演もして。
 組ではスター枠として銀橋をソロで渡り、カーテン前で1曲歌う。

 そして、組が新しくなるときに、専科へ異動。
 組に留まり、同じポジションにいるのはいろんな面で難しい、と判断されただろう、ベテラン学年のスター。

 境遇は似ているし、得意分野が芝居、小柄な美形、という点も似ている。
 なのに、その「芝居」においての威力がずいぶん違うな。

 みつるきゅんは、強い。
 派手で、前へ出て来る。
 濁りはあるけれど赤とか緑とかの強い色だ。

 一方コマつんは、薄い。
 じんわりあたたかく、輪郭が淡い。
 中間色だけど、透明ではなくグレーがかっている。

 役から来るイメージではなく、本人の色だと思うな。
 そしてそれは、彼らが育った組の色でもあるように思える。

 花組と雪組。

 どちらも贔屓組としてディープに通ったことがあるだけに、ふたりの持つ「色」がなつかしく、愛しい。

 真紅の薔薇が咲き誇る花組、陰影で色を作る桜の雪組。
 みつるくんの強さとコマつんの儚さ。

 ふたりの若き専科スターに、タカラヅカの伝統と特色を感じ、そして、未来を思う。

 わたしはコマつんの繊細さと暗さが好きなのだけど、この公演には弱かった気がするなあ。
 というか、トド様と合わない気がする……。
 そして、みつるくんはトド様と相性いいんだよなあ。コマつん不利だわ……。

 コマつん、雪組に戻っておいで……。
 と、また思った。


 でもって、でもって。

 カチャ様が、美しい……っ!!

 イオカステ@カチャ。
 配役が発表になったとき、文句言ってごめん、はっちさんで観たかった、スターさんだからってヒロインやらなくていいじゃん、専科公演だから組所属スターさんは専科さんに譲ってよ! とか言ってたの撤回する。

 カチャで良かったっ!!

 めっちゃ好みでした。

 まずなんといっても、あのカラダ。

 スタイル、なんてぼかした言い方はしません。
 カラダが好みだっ(笑)。

 デコルテから胸まで……特に、胸が好き。
 細いからだに、女性的に盛り上がったバスト。下品ではない、ドレスが美しく見えるために必要な高さと丸み。
 わたしが最も好きな形と厚みだわ……うわああ、眼福ーー! あの胸好きーー!
 巨乳ちゃんも好きなんだけど(笑)、そうではない、スレンダーな身体の薄めの美しいバストも大好きなのよ。

 小顔に長い手足は、理想的なモデル系美女の造形。

 そして、ヅカメイクの映える顔。
 ヅカには、お花様系という、ヅカならではの美女顔があるよね。女性らしい小さな丸顔に長い首、メイクでは唯一誤魔化しがきかないからこそ重要な、高い鼻。魔女っぽいかぎ鼻の方がよりお花様っぽいという(笑)。

 あと、もっとも必要なこと。

 品がある。

 タカラヅカにおいて、コレ重要。
 どんだけ美女でもスタイル良しでも、品がないとヅカではアウトだもん。

 いやあ、美しくて気品があって、小娘ではない大人っぽさがあって、すっげー良かった、カチャ様!!
 男役としてマイナスな部分のほとんどが、女役なら美点になる。

 トド様の母親役とか、どんだけ無茶振り、と思ったけれど、特別感ある雰囲気ゆえに、年齢不詳っぽくて良かった。
 肌とかどう見ても若いけど、実はそれなりに年食ってんだ?的な想像力を働かせることができた。

 そーだよねえ、いくら腰が悪いことを笑いに出来るような年齢の役とその相手役、だとしても、『ME AND MY GIRL』のジョン卿とマリアをガチ専科の見るからに年配の方々で見たいわけじゃない、のと同じハートよねえ。
 ヒロインであるイオカステは、これくらい若くて美しくなくちゃだわ。

 と、観る前の意見は全撤回しました。
 いやまあその、トド×はっち、が見たい気持ちは変わらずにありますけどね……(笑)。

 カチャさんもなあ……。
 彼の容姿は見事に女役向きで、男役に向いてないんだよなあ。
 下級生時代は「女役向き」な部分も「少年らしい」「可愛いらしい」でアリだったけれど、「大人の男」が求められる学年になった今では、他のなによりもビジュアルのハンデが大きくなるばかりで、どうしたもんかと惑うよなあ。
 文化祭ではじめて彼を見たときは、ナルセ系のスタイルの持ち主!と思ったんだけど、なるぴょんのようなスーツの似合う紳士には、今現在なってないもんなあ。

 女役に転向するにしても、学年が行きすぎてるかなあ。
 少女役は今さら出来ないにしろ、大人の女役はこんなに魅力的なんだし……ってそれは、カチャよりはるかに小柄でも、それをモノともしないトド様の貫禄あってのことで、ふつーの男役相手だと、大きすぎるのか……。
 難しいなあ、カチャ様。

 なんかほんとにもう、もったいないなあ。

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