星組『ガイズ&ドールズ』楽しかったーー! ってことで、思いつくままに萌え語り。


 ハバナで酔っ払っちゃって、わけわかんないこと言って絡んで、歌い踊っちゃうサラ@風ちゃん。
 危なっかしい彼女をあやしながらなだめながら、付き従うスカイ@みっちゃん。

 『ガイドル』はわたしにとって「女の子を見るモノ」なので、ここでも当然わたしはサラを見ている。
 無茶振りしてケラケラ笑ってる、みっともない酔っ払い女……お堅い救世軍の女軍曹とは思えない醜態。
 そんな状態のサラを見ながら、わたしは彼女がうらやましくてならなかった。

 サラが醜態をさらしていられるのは、そこにスカイがいるからだ。

 自分を愛し、守ってくれる男性がいる。
 愛にあふれた目で、見守ってくれている。

 そばにいる男の愛情を感じているから、安心し、ゆだねているからこそ、彼女は自分を解放出来ている。

 いいなあ。
 わたしもあんな風に、見守られたい。
 愛されたい。

 そう思った。

 あ、サラが若い女の子だからいいのよ? いいなあ、てのは、わたしにはもうない「若さ」「幼さ」も含めての憧憬。わたしは年寄りだから、若い子が若さゆえに輝いているのを見るのが好き。愚かさでも情熱でも、それは「若さ」の特権。わたしにはもうないもの。
 手の届かないモノこそキラキラして、愛しくなる。わたしがタカラヅカを好きなのは、そこに「ファンタジー」があるから。

 サラの、幸せそうな酔っ払い姿。
 愛し、愛されているからこその、傍若無人さ。
 それがもう、すごくかわいい。

 で、見守ってるスカイが、ちょーオトコマエで!!

 こんないい男にあんな目で見守られてたら、そりゃしあわせでコワレるわな!!


 みっちゃんの芝居は、個人的に苦手なので(すまん)、ところどころ正気に返らされたんだけど、ハバナはほんとに良かった~~。
 芝居は好み・相性の部分が大きいので、NYに戻ってからの銀橋は、またちょっと「みっちゃん……」になって苦手だったりもしたんだけど。や、あくまでもわたしには。
 それでもほんと、苦手なことを差し置いても、恋愛モノ見たーー!って思った。そしてわたしは恋愛モノ大好きです、満足感パネェ。
 
 1幕ラストのスカイは、今まで「かっこいいスカイ」を見る場面だと思ってたんだけど、ごめん、わたしがなんもわかってなかったんだね。
 ここは、そんな表面的なことではなく、スカイの切ない胸の内に涙するところだったんだ!

 嘘からはじまった恋。
 賭の景品でしかなかったサラに、本気で恋してしまって。
 負い目があるからハバナでは自制していて、恋に全力疾走のサラをたしなめていたりして。でも、途中から「ええいっ、ままよ!」てなもんでブレーキはずして、恋に突っ込んで。
 束縛を嫌うギャンブラーが、根っからの自由人が、ひとりの女の子に捕まった。逃げようとしていたのに、覚悟を決めて捕まりに行った。
 ……なのに、そこまで覚悟して、本名明かして、心を預けた次の瞬間、「住む世界が違う、愛し合ったのは間違いだった」とサラに扉を閉められてしまう……。
 こーれーはー、痛いわー。
 きゅんきゅんだわー。

 ハバナの盛り上がりがすごかった分、きちんと恋の破局も伝わったのね。や、わたしの鈍いアタマにも!

 だから1幕ラストのスカイさんには、大いに泣かせてもらったー!! みっちゃんすげえええ。ありがとーー!!

 スカイが本気でサラに恋している、とわかって見る2幕の楽しいこと!
 てゆーかわたし、なんで13年前はそれがわかってなかったんだろう……? むしろそっちが不思議……。や、わかってたけど、わかってなかったの。こんな風には、理解してなかったの。
 あんときは、むしろアデレイド@きりやんに感情移入して泣いてたな……。

 今回は、スカイとサラの恋愛にずっぽり夢中になって観たので……。

 オチが不満だっ。

 愛するがゆえに身を引くスカイ。命懸けの大勝負をしてまでサラのために動き、彼女の成功を見届けてから、そっと去って行く。
 そんなスカイを、追いかけるサラ。
 ふたりはどうなるの?
 ぎりぎりのところでサラがスカイに追いついて、スカイの名を呼んで、それで……!

 なんで、いちばんいい場面が、存在しないの?!

 スカイとサラが、愛を確かめ合う場面が、なんでないの?!

 サラ、アデレイド@ことちゃんとぐだぐだ歌ってる場合じゃないわっ、スカイのとこに行きなさいってば!

 『ベルばら』でいったら、「今宵一夜」よね? 愛を告白し、結ばれる場面よね? いちばん盛り上がる、いちばんおいしい場面よね?
 なんでそれがないのおおおおっ。のおおおおっ。

 『ガイドル』がそーゆーもんだとわかっているし、スカイとサラの恋愛をいまいちわかってなかった13年前ですら、肩すかしだと思っていたけれど。
 今回スカイとサラにきゅんきゅん☆ハートで観ていると、ほんっとにもお、心の底から、納得いかんわー。
 ブロードウェイミュージカルには不要でも、タカラヅカには必要だってば。
 毒殺シーンのあと、何故か突然パリの橋の下で「この戦闘が終わったら結婚式だ」「オスカル……!」とやってるよーもんじゃん、『ベルばら』(しかも、アンドレとオスカル編)でいうと!
 えっ、アンドレ片想いやったやん、なのになんで突然結婚?? つか、次の瞬間アンドレ死ぬし!! 「今宵一夜」のないオスカルメイン版なんぞ、ブーイングの嵐ですがな!!

 と、まあ、月組再演時には思わなかった不満点爆発。

 月組再演時は、スカイとサラより、ネイサンとアデレイドが好きだったので、このふたりが「どうやってプロポーズから電撃結婚、ネイサンは人生180度変えちゃいました、テヘ☆」になったか、二次小説書いて自分なりに補完して満足したけど(笑)。
 あー、今回はスカイとサラだわー。誰か二次書いてわたしに補完させて。←他力本願


 わたし、風ちゃんのお芝居好きだなあ、と改めて思ってみたり。
 ビジュアルがあまり好みでないため(すまん)、それほど意識しないままに観ているのに、彼女にエンジンが掛かると、ぶわっと持って行かれるのね。
 ピントが合うというか、わたしの意識が散漫であるがゆえのぼやけた視界を、彼女が「ここを観なさい!」と力尽くでピントを合わせてくる感じ。
 で、そうやって「注目させられる」と、彼女がすっげーチャーミングに見える。
 物理的に美形かとか好みかとかを超えて、美しいキャラクタに見える。愛しくなる。
 これって気持ちいいわー。舞台観ている醍醐味。
 みっちゃんも同系統の役者さんだから、このふたりは良いペアだと思う。

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