『ガイズ&ドールズ』初日観劇。
 みっちゃん、風ちゃん、トップスターお披露目おめでとー。開演アナウンスに拍手してきましたー。

 で、『ガイズ&ドールズ』……仲間うちでは、『ガイドル』と略していた。2002年の再演時。今ほどネット文化が浸透していない時代なので、ファン共通の呼び名があったのかどうかは知らない。
 あと、初演は知りません。はじめて観たのが、月組の再演。だから、月組再演『ガイドル』が、わたしにとっての『ガイドル』スタンダード。
 当時のご贔屓が出演していたので、その再演『ガイドル』に機嫌良く通っていた。
 ええ、好きな作品ですわ。

 そんなわたしが観た、今回の星組での再々演。

 先に言う。

 大泣きした。

 星組『ガイドル』よかった、すっげーよかった、泣いたーー!
 こんなに泣くとはかけらも思ってなくて、傍から見たらすげーみちこファン?ってなくらい、笑い成分多めのハッピーミュージカルで泣き続けました(笑)。
 もともと好きな作品なんだけど、昔好きでリピートしていたころとは違う意味で泣けた。

 これって、恋愛物だったんだ?!

 すすすすいません、知りませんでした。
 再演時にけっこうな回数観たのに……あの頃は一度も思ったことなかったっ!

 そりゃあね、あのころはね、真ん中見るより画面の隅っこでいちゃいちゃしてるスーツの男ふたり見るのに忙しくてだね、きちんと作品を見てなかったのかもしんないけども。
 でもでも、BJとナイスリーが出てない場面の方が多かったし、ちゃんと作品自体を楽しんでいたのよ?
 ……なのに今さら、驚く。
 『ガイズ&ドールズ』って、恋愛物だったのか!! 知らなかった!!

 再演時で泣けたのは、なんといってもサラ@えみくらとアデレイド@きりやんの「結婚するわ!」の場面……てのはいいとしても、次に泣けるのがナイスリー@ゆーひが歌うテーマソング……「男たちが星を欲しがる、みんな女の子のために♪」の場面……という偏り方だから、わたしの感覚なんてまったくもって正しくないのだろうと思ってはいるけれど。
 かっこいい男性主人公のタカラヅカ、というより、ほっこりする別ジャンル舞台として楽しんでたのよねえ。
 だからメインは女の子。男役じゃない。
 女の子ふたりが恋に悩み、それらを突き抜けて「結婚するわ!」と立ち上がるところにじーんとしたし、愛が現実に勝つってところが大好きだったの。
 ナイスリーたちの歌だって、かっこいい男たちが愛する女のために微笑ましくもなさけない姿になることを、ユーモラスに歌う場面だし。
 そういう部分を楽しむ話で、主役とヒロインが恋愛してるかどうかは、興味の範囲外だった。
 や、恋愛してるんだと思うよ? だって主役とヒロインだし。タカラヅカだし、トップコンビの役だし。恋するんでしょ? くっつくんでしょ? 前提だから、それ以上気にしてない。
 てことで、それ以外の部分を楽しんでいた。

 それが。
 今回、再々演にて。
 主役とヒロインが、恋愛していることに気付いた。

 主人公とヒロインが恋愛してたら、それって恋愛物やん!!
 だって話は主人公とヒロイン中心に進むんだし! だから主人公であり、ヒロインであるわけだし。

 ……いやあ、今さらの発見。
 目からウロコ。

 スカイとサラが、恋愛してた。

 しかもこれ、切ない系の話やんーー!
 愛し合ってるのに、共に生きて行けず、別れを決意する話やんーー!
めっちゃ切ないやんーー!

 ……今さら、ナニ言ってんでしょうねえ……。

 月組再演時は、スカイ@リカちゃんはひたすらカッコよくて、キザでポーズのひとつひとつが決まっていて、カッコよくて、カッコよくて……それで……それだけ、だった気がする。わたしには。
 かっこいいリカちゃん、を堪能するだけで、それ以上を考えてなかったみたい。あくまでも、わたしが。
 スカイがサラに恋している、ということに、気づかなかった。「スカイとサラはくっつく」という「前提」を見ていただけだった。

 今回はじめて、スカイがサラに恋していること、サラがスカイに恋していることを、知った。

 ということで、いちばん泣けたのが、ハバナだ!!

 あの明るく楽しい場面で、まさかの大泣き。
 しあわせそうなサラ@風ちゃん。
 自制心と恋心の間で揺らめくスカイ@みっちゃん。
 やだーー、切ないーー、きゅんきゅんするーー!!

 そうやって盛り上がったのちに、1幕ラストの「教会でクラップしていたギャンブラーたち」で、サラが恋から身をひるがえし、スカイも彼女を追うことが出来ずひとり背を向けて……って、うわああ、この終わり方すげえ、めっちゃ恋愛モノ! 切ない!!

 ……いやその、そんな重要なシーンで風ちゃんがまさかのドア位置間違えで、場内爆笑になっちゃいましたけども……わたしも恋愛モードに水ぶっかけられて鼻白んだけれど……。
 そのあと、みっちゃんがまったくたじろぐことなく、空気を切ることなく「恋愛つらいぜ切ないぜ」全開で幕を下ろしてくれたので、わたしもまた気持ちをすぱっと切り替え、さっきまでのモードに戻して、切なく終わる事ができました。

 はー~~、みっちゃん感謝!

 幕間はぐちゃぐちゃになった顔を整えるのに必死ですよ……泣くとは思ってなかったからさー……。

 てことで、ほんっと楽しかったっす、星組『ガイドル』。
 新しい発見。新しい感動。
 ……ゆえに、作品への不満も新たに芽生えたけれど、それはともかく、わたしは好きだなあ、この作品。

 新生星組は、これまた「強い」人がトップさんとして真ん中にいるなと、しみじみ思った。
 れおんくんも、とても「強い」人だった。舞台人としての技術や、客席に働きかける力が、強い。みっちゃんはれおんくんとタイプは違うけれど、舞台を支える上での力は、同じように「強い」人だと思う。
 みっちゃんのトップお披露目公演を、いろんな意味で「良かったね」と思う。

 が、個人的に、カーテンコールの拍手は、終演後の追い出し音楽が終わったあとからしてほしかったなあ……。
 オケのみなさんがせっかく演奏してくれてるのに、それをかき消すように大きな音でえんえん拍手してるのは、「チガウんじゃ?」と思った。
 追い出し音楽への手拍子じゃないのよ、「幕を開けて!」の催促拍手で、音楽を聴いてない、むしろ音楽を邪魔だと思ってるのよ……だから、音楽より大きな音でリズムも無視して拍手を続けるの、音楽に負けたら幕を開けてもらえない、とでも思ってるみたいに。
 追い出し音楽はちゃんと聴いて、それが終わってから一斉にカテコの手拍子をはじめたら、きれいだったのになあ。

 と思うのは、単にわたしが慣れていないだけで、追い出し音楽を打ち消す拍手でカテコ要求が演劇界の定番なのかもしれない。
 わたしはほら、小心者だから、ひとさまが必死に演奏しているのにそれを聴かずに爆竹拍手を続けるのって、弾いている人に悪い気がして、気が気じゃなくてなあああ。そこは気にしなくていいもんなのかな?

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